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Sunday, August 04, 2019

Mt.Tsurugidake, Tateyama Mountain Range Climbing 室堂~剱沢キャンプ場 DAY1

 
いつか行きたい山。

いつか登れるかなって思っていた山。


偶然なのですが、新田次郎の小説の山を
今回から続けて二座登ることになります。
 
まずは
 
映画 剱岳で長次郎さんが言います。
 
「剱岳はきっといつか誰かが登らにゃあいかん山なんじゃないがでしょうか」
 

く~っ!!!(泣ける)

 
登れんでも、観に行きたい。
麓まで行って写真に収めたい。
 
立山行くんだったら、
剱観てこようよ!

そう思ったのは2ヶ月ほど前でした。
 
悪天候で延期が一回。
 
ザックや装備の見直しをして
(単に物欲かもしれませんが)
 
 
今回、挑みます。

長次郎さん達が登ったあの山を!!
  
  
Gopr1400_640
 
2019年8月3日の夜にJEEPで出発して
8月4日の早朝から長野県側から立山の室堂に入り、
雷鳥坂を超えて、剱沢にベースキャンプを設置。
8月5日に憧れの剱岳にアタック。
8月6日に剱沢から立山・別山・浄土山の立山三山を縦走するルートです。
 
当初、7月に計画をしていたのですが
天候が良くなく、好天を待って
一度延期してのアタックでした。

延期が功を奏して、
最高の天候で登頂が出来ました。

剱岳は
僕の登山経験の中で、
ずっと記憶に残る山になると思います。


普段、ブログを書くときは
記事の時間と記事を書いてアップロードして公開する時間が
ズレていても(掲載が遅れた場合でも)
記事の中の時間で文章を書くようにしています。
タイムパラドックスを起さないように(笑)
 
でも、今回はあえて
記事の中の時間と、
記事を書いている下山後の時間の目線で
登った日には知り得なかったことも
書いています。

 
登山前も、下山後も
とにかく威厳で、カッコ良く
ラスボス感満載で
神聖さと恐怖さえ感じる
神秘的な山でした。
 
 
道を作った、地図を作った先人たちの思いや苦労に
思いをはせ
感謝し
感動した登山でした。
 
たぶん、ずっと忘れない山だと思います。
 
 

 

 
今回、ブログ記事の掲載が遅くなり
2019年9月末になったのですが
その間に19歳の女の子が
この山で滑落して亡くなっています。
 
ご冥福を祈ると共に
ご家族の方にはお悔やみを申し上げます。
 
日にちこそ違いましたが
もしすれ違っていれば
アタックした時刻とかを伝え読む限り
何かできたかもしれないと
悔やまれます。
  
 
でも、
その日登頂したという彼女は
立山の素敵な数々の景色を
この威厳ある山を
きっと観たんだと思います。
 
そんなことを思いながら
撮りためた写真を選びました。
 
剱に限りませんが、
危険と隣り合わせです。
オーバーでなく死の恐怖が
その渕が
たった一歩の歩幅のすぐ脇にあります。
 
 
この先、どこかの山に登る自分自身にも
これから剱やどこかの山を登る方にも
十分な計画と装備とトレーニングをして
天候や時間をよく見て
行きたい、行って欲しい
場合によっては
途中で戻る判断をして欲しいと思いました。
  
この記事をアップロードするにあたって。
2019年9月28日。

 

 
 

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8月4日 午前1時に扇沢の駐車場に到着して
JEEPの中で仮眠をとり
朝、目が覚めるとそこは快晴でした。
 
深夜に停めたときは4割ぐらい埋まっていた駐車場は
だんだんと車が増えて来ていました。
 
  
Dsc_8490_640
 
扇沢から室堂までの往復チケットは
WEBで予約しておき
往路の朝のバスは7:30を予約しておきました。

朝一のバスですが、
かなりの観光客と登山客で混んでいました。
 
 
Dsc_8491_640
 
さあ、出発です!
 
まずは関電トンネルトロリーバスからリニューアルされ
今年の春から運行が始まった関電トンネル電気バスに乗って
立山黒部アルペンルートの黒部ダムまで向かいます。
 
 
Dsc_8501_640
 
トンネルを抜けて黒部ダムにあがってきました。
観光放流も行われていて
以前、初めてきた時に
この景色とスケールに圧倒されて
山の綺麗さと空の美しさ
ダムの巨大さに感動したのを思い出します。
 
 
Dsc_8505_640
 
そして以前はダムから見上げていた
アルプスの少女ハイジの世界だぁ!って思って感動した
ダムの上に見える山々に今回は向かいます。
 
あそこを歩くのかぁ~!
と思うとわくわくします。
 
 
Dsc_8508_640
 
そんなことを思いつつ
しっかりダムは見学です!
すごい迫力だぁ!
 
 
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今回も撮影機材はD850と
GoPro Hero7 BlackとiPhone(7 plus)を
持ってきたのですが、
レンズ、すごく悩みました(笑)
 
結局、今回の登山でD850のレンズには
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
の2本を持参しました。
 
広角レンズの14-24mm f/2.8を持って行くか
すっごい悩んだのですが
立山三山だけなら、
確実にこの大三元の広角、標準ズームを
2本持参だったと思います。

ただ剱岳の岩場に大きくて重たいかさばるレンズ
24-70mm f/2.8Eや14-24mm f/2.8
を持って行けるのか?
行けるだろうけど行くべきか・・・
 
 
Dsc_8511_640
 
散々悩んで、
結局、安全と体力温存を優先して
剱をアタックする際は
D850には
小型軽量の20mm f/1.8Gだけを持って
(装着して)行くと決めました。
 
14-24mm f/2.8を購入したときには
その解像と超広角な絵のカッコよさに
20mm f/1.8Gはもう出番が無くなって
使わなくなるかなぁ
なんて、思ったりもしたのですが
今回、剱岳への登山を計画しながら
20mm f/1.8Gは
これからも手元に置いておくべきレンズだ!
こういうシチュエーションはこの先も絶対有る!
と思いなおしました。

重くてでかいレンズが
岩にぶつかったり引っ掛かかって
それでバランスを崩して
滑落とかありそうですし。
これは絶対避けないといけないですし。

また垂直に近いような岩場の登り降りでは
一眼レフ自体を普段からザックに収納するのですが
それでも難易度高い場所では
重く、かさ張るのは避けたいですし。

あと14-24のあの出目金が・・・
セリ出たレンズには防御用のフィルターが付けられず
前玉(レンズ)がむき出しになります。
岩でレンズをガリっ!とか絶対やってしまいそうで。
レンズキャップも大きいし。

実は5月に登った蝶ヶ岳の山頂で
14-24を装着してレンズキャップを付けていないときに
先端をうっかりぶつけてしまい、
幸いレンズフードを擦っただけで
助かったのですが。

ということで
絶対的にかっちょいい絵が撮れる
信頼感抜群の14-24レンズなのですが
剣岳への初登山にあたっては
僕とレンズ本体の安全優先で
今回は置いていくことに。

変わりに20mm f/1.8Gで
夜、晴れたら
星空も狙いたいので
ソフトフィルターと
リモートコード MC-36A
を持って行くことにしました。
 
出発前の準備での
こういうのも楽しいです。

 
Dsc_8514_640
 
さて、そんなこんなで
今度はダムからケーブルカーに乗ります。
さすが人気の山です。
すごい混んでます。
 
 
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普段着・靴の観光客 4割
ライトなハイキング登山客 4割
ガチな感じの登山者やテン泊装備の大荷物な登山者 2割
 ぐらいの比率だったでしょうか。
 
 
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ケーブルカーを降りて
次の経由地・黒部平駅からのビューです。
かっちょいー!!
 
今回はまだまだこれは序の口なのはわかっているのですが
さすが、黒部です。
空が近い!!
 
ダムや交通機関の工事や運転・保全関係者に
頭が下がります。
 
 
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黒部ダムの方を振り返ります。
左側の一番後ろの高い稜線のピークが
(左)鳴沢岳 2,641m、(右)赤沢岳 2,678m、
 
右側の二つのピークが
(左)スバリ岳 2,752m、(右)針ノ木岳 2,821mです。
  
 
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黒部三山のほう向くと
次に乗るロープウェイがやってくるのが見えます。
 
 
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途中の支柱が一本もないんですね。
 
 
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 ケーブルカーを降りて
上の大観峰駅から黒部湖を振り返ります。
 
たしか、僕が前回来たのはここまででした。
まだ登山を始める前です。
 
 
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ここからは初体験です。
交通機関最後の室堂駅まで
立山トンネルトロリーバスに乗ります。
 
 

Dsc_8534_640
 
ついに午前9時30分。
 
扇沢から約2時間
電気バス、ケーブルカー、ロープウェイ、トローリーバスを乗り継いで、
やっと登山のスタート地点 室堂に到着です。
 
軽く行動食を食べて
登山開始の準備をします。
今日は剣沢キャンプ場までの移動になります。
 
 
Dsc_8556_640
 
お~っ!なんて綺麗なんだ!
みくりが池。
最高な天候です。
 
 
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立山連峰をバックに咲くオオハナウドが見事でした。
綺麗だぁ!
 
 
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高山にある綺麗な湖です。
実際にその景色をみてみたい、
その中を歩いて写真を撮りたいと思っていた
いくつかある湖&山のなかでも
特に有名な場所に来ることが出来ました。
しかも、こんな晴天に恵まれて。
 
 


Dsc_8605_640
 
いやー、日本じゃないみたいな景色が広がります。
こんな景色の中をのんびり歩ける立山はすごい!
2時間、お金も時間もかかるし
3000m付近は天候も変わるので
アクセスのタイミングも難しく
思い切りが必要ですが
それでも体力も技術も不要でここまでは来れます。
 
 
Dsc_8615_640
  
最高に気持ちいい!

去年の北岳の夏山も素敵だったけど
それに比べれば
ここは乗り物でアクセスができるのに
かなりの奥地&高地という贅沢で、
誰でもこの景色が見れるっていうのは
凄いです。
 
 
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雷鳥沢に向かう途中の血の池です。
酸化鉄で赤く見えます。
 
 
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絶景!こんなすごい景色の中を歩ける幸せ感!!
 
 
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前方に雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。
後ろに別山乗越と別山。
青空と白い雲と緑の山々と白い雪渓。

下まで降りたら、あの山に登り
その向こう側にある剱沢を目指します。
 
ここからは剱岳は見えません。
 
  
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午前11:00。
室堂から1時間10分ほどで
雷鳥沢キャンプ場まで来ました。

この日の気温は24度。
日が当たるとやや汗ばむ感じです。
 
 
 Dsc_8653_640
 
  キャンプ場への道。
夜晴れたら星が凄そうだ!
 
 
  Dsc_8660_640
 
雷鳥沢キャンプ場に着きました。
当初の計画ではここにテントを張って
立山を縦走するつもりでした。
 
今に歳をとって
高い山に登れなくなっても
ここまでなら歩いてこれそうです。
すごい綺麗な景色です。

もし将来そういう日が来たら、
昔、あの山々の上を歩いたんだよなぁ~!
って懐かしく思い出せるような
そんな登山に今回はしたいです。
 
 
 Dsc_8663_640
 
11:10.
先を急いで浄土沢を渡ります。
 
18kgのテント装備を担いで
雷鳥坂を登ります。
 
カメラ装備がだいたい3kgぐらいあるので
あわせて21kgになります。
 
一瞬、うねった急こう配の登山道を見上げて
ビビります!
 
 
Dsc_8678_640
 
ビビりながら雷鳥坂を登り始めると
目の前を公園のハトのごとく
雷鳥が歩いていました(笑)
 
 
Dsc_8682_640
 
雷鳥にテンションをあげてもらって
一歩一歩登ります。
 
でも、すごい綺麗で。
夏山の最高!って瞬間ですね。

北岳の大雪渓を登った日を思い出します。
あとあとずっと覚えています。
今回の登山もそういう登山になりそうです。
 
 Dsc_8694_640
 
コバイケイソウが綺麗に咲いています。
前景も中景も背景もたまらんです!!
  
 
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13:10
約2時間で雷鳥坂を登り
剱御前小舎まで来ました。
 
ここで小休止をとり
コーラを飲みました。
ここまで、かなり汗をかきました。
 
 
 Dsc_8718_640
 
今回、新しいザックを投入しました。

 Mammut Trion Spine 75 (2640 g)
 
重装備用に遂に75リットルを導入です。

これまでの僕の最大容量のザックとしては
Mammut Trion Pro (50+7L/1700g)
を愛用しているのですが

前回の蝶ヶ岳のとき
上高地から横尾までの雪道と
そこから蝶ヶ岳の急登で
前から癖のあった左脚の付け根と
腰を痛めてしまい。
また両肩もかなり筋肉痛になったうえに
そもそも冬のテント泊装備と
一眼レフとレンズや三脚類が
なかなか入らない容量オーバーとなり
パッキングとトレッキングに苦労しました。
(食料が入らない事件があり・・・)

で、ならもっとデカイ(重くなるけど)ザックを
使ってみようと思い
いつくか検討した結果で
Trion Spine 75 をチョイスしました。
 
ちなみに今回、
このザックの中には
二泊三日のテント泊装備(夏)と
着替えと食料、飲料。
三脚とヘルメットも収納しています。
外付けせずに全部中に格納できます。
それでも、容量にはまだ余裕があります。
  
 
 Dsc_8751_640
 
別山乗越を超えて
今日の宿泊地である
剱沢キャンプ場を目指します。

尾根を越えると
じゃーん!
剱岳が見えました!!
かっくいー!
と思おうと同時に
あんなこと登れるんかな?とか
ワクワクしてきます。

が、ここで下りの岩のステップを越すときに
太ももの両方が攣る(ツル)!
という事件が発生。

おおお~っ!痛い!
ストックを出してもらって
なんとか復帰したものの
水分やミネラルは多めに小まめに
摂ってたつもりだったのですが。
 
明日の剱の岩場でこれなったらヤバいな!
とか焦りました。
 
  
 Dsc_8776_640
 
休憩をとりながら
脚の様子をかばいつつ、進んでいきます。

ラスボス感満載で見下ろしてくる剱岳の迫力に
すでにクラクラしているフロド状態です。
(ロードオブザリング大好きっ!)
  
 
 Dsc_8787_640
 
かっちょいーーーーっ!
カッコ良すぎじゃないですかっ!
 
さっきの雷鳥沢は優しく美しかったですけど
 
こ、これはっ。。。
 
威厳に満ちています。
すごい圧倒的です。
 
あの奥の彼方の岩山。
来るもの拒む感満載っす。
 
 
この景色、20mmの超広角で撮れて幸せです。
  
 
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15:00 剱沢キャンプ場到着。
設営しながら剱岳に乾杯します。
 
 
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二アックを設営。
すごい!!空気感が。
ピリッとします!

やっぱ歳をとってもここまで来て泊まりたいです(笑)

 実際、キャンプ場で会話を交わしたご年配のソロの男性の方は
「剱を見に来たんだ!なので明日は室堂に帰るんだ」
といってテント泊をされていました。
そういうのもいいなぁと思いました。

剱岳の映画のワンシーンを思い出す会話でした。
 
 
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午後は明日のために体力回復に努めつつ
この空間に居させてもらえることを感謝して
写真を撮りまくりました。
最高にかっこいいです。
 
  
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テントの出入口から顔を出すと
別山乗越のほうが見えるんですけど
この空間、やっぱさっきまでの室堂エリアとぜんぜん違います。
ほんわかムードはありませんw
もっとキリッとしている感じです。
 
  
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陽が出ているうちに
ソーラーパネルを展開して充電しておきます。
 
ここ剱沢キャンプ場は
沢から引いてる水場があります。
トイレもあります。
 
ただ、売店は無いです。
 
片道20分ぐらいの坂道を通って
剱沢小屋まで行かないといけないので
食料やガス、飲物などは
ほぼ普通に街中のホテルや駅並みに豊かな室堂か
手前の剱御前小舎までに
余裕をもって調達しておいたほうがいいです。
 
 
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明日までに
さっき攣った両脚の太ももを
なんとしても回復させないと!

もし朝の段階で脚が痙攣したり
攣りそうでだめだったら
アタックは諦めるかもなーとか
おもいつつ。
 
 
 Gopr1400_640_20190928222601
 
今はこの空間に居られる喜びでいっぱいでした!
 
 






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